
2024年4月20日のJ:COMホール八王子での公演を皮切りに、超特急の春ツアー「BULLET TRAIN Spring tour 2024『Rail is Beautiful(以下RiB)』」が走り出した。
その中で、私は妻と共に市川市文化会館ホール(千葉県)公演に参加することが出来たため、この感動を共有しようと思う。
本記事の目的は「超特急のライブの感動を分かち合うこと」そして、なにより「彼ら9人の魅力を広めること」である。
ただ、執筆時点ではツアー真っ只中であるため、セットリストや演出等の具体的な内容は避けて、あくまで「ネタバレ無し」で書いていく。
前回記事では「超特急のライブ」としての魅力を書いたが、今回はもう少し踏み込んで「今回のツアー」としての魅力も語っていきたい。
様々な人に読んでいただき、少しでも「超特急のライブって楽しそう!」「行ってみたい!」と感じてもらえるととても嬉しい。
それでは、出発進行!
ライブを超えた、最早1つのエンターテインメント
あなたは“アイドルのライブ”と聞いた時に、どんなものをイメージするだろうか。
「歌って踊る」
「黄色い歓声が聞こえる」
「カッコイイ、可愛い」
一般的にはそんな印象を抱いているだろう。
美しい歌声に、華麗に舞う姿に、そしてそのビジュアルに酔いしれる。
良くも悪くも、アイドルのイメージは“そこ”に留まるのではないだろうか。
確かに、歌声、ダンス、ビジュアル、どれをとっても素晴らしく割れんばかりの歓声が響き渡るのは事実だ。
しかし、彼らのライブはそれだけではない。
私は一種のエンターテインメントだと感じた。
そう、ライブ自体が1つの作品として完成しているのだ。
歌とダンスを披露する場、それがライブのイメージであるが、超特急は違う。
確かにメインとして魅せるタイミングもあるが、歌もダンスも“ライブ”という作品を構成する1つの要素でしかない。
歌、ダンス、MC、映像、照明、セット、衣装、セットリスト、様々な要素を組み合わせることで、1つの作品と成り、そしてポテンシャル以上のものを発揮している。
今回のライブは特にそれを感じた(2回目で何言ってんだ)。
映画で言えば“4DX”の感覚に近いのかもしれない。
映像と音楽だけでも十分に楽しめるが、そこへ様々な演出を加えることで、五感で楽しめるものに変化する。
「観る」や「聴く」から「体感する」というものに昇華させる、それが彼ら9人のライブだ。
とりあえず声を大にして伝えたいのは「超特急のライブは唯一無二」だということだ。
他のどのアーティストとも、どのアイドルとも違う、ある種異質な空間。
「観る」とも違い「魅せる」とも違う。
お互いに一方通行ではなく、キャッチボールをしているよう感覚。
超特急とファンである8号車との絆故に実現できるのだろう。
体感約“5分”の濃密すぎる時間
超特急のライブの後で感じたことは
「楽し過ぎた」そして「短すぎた」
だった。
まだ指折り程度しか参加したことはないが、その全てで等しく感じたものだ。
そう、彼らのライブは楽しい。
稚拙で単純な感想だとは重々承知していながらも、心の中で一番大きく膨らむのはこの想いである。
もう一度言う、本当に楽しい。(しつこい)
何が楽しいかと言えば、まずは勿論パフォーマンスだ。
「歌が上手」「ダンスが上手い」というのは言わずもがな、あえて語るまい。
それを抜きにしても強く感じるのは「表現力が豊かすぎる」ということだ。
ダンサーは、ダンスでフルに使うであろう四肢の動きだけでなく、表情でも曲に込められた想いを体現してくれる。
時にカッコよく、時に妖艶に、時に可愛らしく、字の如く千変万化に様々な表情を魅せる。
そして毎回思う。目が足りねぇ...と。
また、ボーカルの表現力も凄まじい。
その歌声だけで心を震わせてくる。
甘い声、男らしく力強い声、多種多様な声色を使い分け、歌詞以上のものを伝えてくれる。
耳にレコーダー機能があればと何度望んだことか...。
そして、一公演ごとに、ライブごとに、その場でしか見られないものがある。
コンディションも、気持ちも、想いも、毎回異なり、それ故の良さがある。
そう、ライブは1度きりだ。
何公演参加出来ようとも、そのライブは人生においてたった1度しかない。
それ故の「忙しさ」もライブが短すぎると感じる理由だと考える。
決して悪い意味ではないが、推しのライブは非常に忙しい。
「全体のパフォーマンスが見たい」「推しを見つめていたい」「この2人の掛け合いが見たい」
様々な想いを持ちながらライブに臨んでいるが、非常に残念なことに捉えられる映像は1つしかない。
我々の目はマルチビューイングではないのだ...。
忙(せわ)しなく目線を動かし、ペンライト振り、叫び、涙を流し、笑い、時に双眼鏡を除き、1分1秒を全てライブに注いでいる。
暇な時間なんて一切なく、ギュっとしたら鉛ぐらいの密度になるほど濃厚な時間だからこそ、非常に短く感じてしまうのだろう。
そして、超特急のライブはパフォーマンス以外の部分も本当に楽しい。
一般的なライブで言えばクールダウン的な時間に位置するMCであるが、ここでさえもパフォーマンスぐらいに楽しませてくれる。
9人のわちゃわちゃした空気感が可愛らしく、そして愛おしくなるのもあるが、何より面白い。
お笑い芸人のような綺麗に作られて、洗礼された笑いではなく、学生の頃に教室で見たような少し崩れた親近感のある笑い。
これがもう絶妙に面白い。
フフっとなる場面もあれば声を出して笑える場面もある。
YouTubeやラジオでの掛け合いも十分に面白いのだが、ライブ特有の空気感も相まった笑いも是非体感して欲しい。
“体感”と“羞恥”のギャップは些細な問題
超特急のライブの最大の売りは「体感できるライブ」だということだ。
これは声を大にして言いたい。
ペンライトを振りながら共に踊り、推しの名前や合の手を叫ぶ。
所謂(いわゆる)、ペンラ芸とコールという文化である。
見ているだけでも圧巻であり、その中にいるだけでも圧倒される。
しかし、いざ自分がやると楽しくて仕方がない。
傍から見たら異様な光景だとは自覚している。
このペンラ芸とコールであるが、売りであり楽しさの根源でありながら、初乗車の参入障壁になっていることは否めないものと考えている。
「超特急のライブってコールしなきゃなんないの?」
「ペンライトないと浮いちゃうかな?」
やはり羞恥心があり、周りの目が気になる、そんな人も多いのではないだろうか。
日本人は特にその傾向が強い。
確かに見ず知らずの人の群れの中で大きな声を張り上げて、光る棒を一心不乱に振り回すのは気が引けると思う。
そりゃあそうだ。私も自分で書いておきながら、これだけみたらどうかしてると思う。
それでも尚強く伝えたい。
これから乗車する人、場数の少ない人、恥ずかしい人。
もっともっと楽しめる可能性があるから是非やってみて欲しい。
「そうは言っても...」と言うのも分かる。
激しく理解する。
私は陰キャでコミュ障のキモオタだけど、超特急のライブ楽しい。
推しの名前叫んで、ペンラ振り回してんのがすんごい楽しい。(文体どうした)
確かに最初は物怖じした。
緊張の様な、羞恥の様な感情を抱きながら恐る恐るやってみたのを覚えている。
しかしどうだろうか。
響き渡る曲の中、歌声の中、歓声の中、自分の声はかき消されてしまう。
全力で叫んだところで、たかが知れてるのだ。
そして、叫んだその声は、振ったその手は、誰に向けたものだろうか?
そう、紛れもない「推し」の為ではないだろうか?
誰に聞かれようが、なんと思われようが推しに届けばそれでいい、私はそう思う。
そう考えると「少し」前に進んでみたくなってきたのではないだろうか?
もう一つだけ言わせて欲しい。
それは、ファンの想いは一緒でも「カタチは人それぞれ」だということだ。
特にそれを感じ、訴えたいのは「アンコール」である。
ライブではお決まりの演出で、最後の曲が歌い終わり、アーティストが退場した後にファンが「アンコール!」を叫ぶ。
そして、アンコールの曲をパフォーマンスする。といったものだ。
超特急の場合は「アンコール」ではなく「超特急」と叫ぶのだが、先に述べた「羞恥心」もあり、1人残らず声に出しているかと問われれば、そうではないのが実情だ。
そりゃ色んな人がいる。肉体的な問題は別として、声が出せない人は少なからずいるはずだ。
しかし、この状況を良く思わない人もいるのも事実だ。
「また出て来てほしくないの?」
「アンコールの曲は”アンコール”をした人に与えられるもの」
といった言葉を見たことがある。
気持ちはわからないではない。
声になってこそ、形になってこそ届くモノはあるはずだ。
※アンコールに登場しなかったこともある?
ただ、今一度考えてほしい。
声が出る出ないの差はあれども「推しに対する想い」、これだけは同じはず。
会場にいる全員、一人残らず「アンコールが要らない」なんて思っちゃいない。
「みんな言ってるから私ぐらいいいや」なんて思っちゃいない。
「みんな声出そうぜ!」ってのも分かる。
「ホントに声が出せなくて...」ってのも分かる。
しかし、全員の考え方が全く一緒になるほど人間は出来てはいない。
様々な想いがあるからこそ、色々な形の応援があるからこそ、ファン同士が尊重し譲歩しあえる環境であればいいと強く望んでいる。
ざっくり言えば「仲良くしようぜ」ということである。
みんな楽しもうぜ。
“歴”を問わず楽しめる空間
ここはあえて多くは語らない。否、語れない部分だ。
しかし、これだけは伝えたい。
今回のライブのセットリスト、そして演出共に「ファン歴を問わず楽しめる内容」だった。
やはり、アーティストやアイドルの活動歴が長い程、そして自分自身のファン歴が浅い程、未知の部分が多くなってしまう。
超特急もその中の1つで、デビューから今年(2024年)で12周年を迎える。
12年、考えてもみてほしい。
入学式を迎えた子供が大学生になってしまう程の長い時間。
これ程の長い時の中で、どれだけの楽曲を世に放っているだろうか。
動画、写真、発言、ライブ、イベント、グッズ、とてつもない量のコンテンツを残してきている彼らのどれだけを知っているのだろうか。
私のファン歴もせいぜい1年程度、ほんの断片でしかない。
知らない部分の方が圧倒的に多く、共有できなかった時間の多さに歯痒さを覚えることも多い。
そんな差を強く感じていながらも、今回のライブは特に楽しめた。
ほんっっっっとうに楽しかった。
まずはセットリストだが、今回のテーマである“Beautiful”、美を表現しながら、そして超特急らしさを詰め込んだ素晴らしい内容だった。
料理で表現するなら、まさに“コース料理”ではないだろうか。
オードブルでライブへのモチベーションを掻き立てられ、スープ、パン、魚料理と次々に提供されるパフォーマンスに「飽き」なんて訪れるわけもない。
そして、来たるメインディッシュ。肉料理では好き嫌いが出てしまうが、本ライブのメインディッシュは誰しもが楽しめる、皆が好きだろうという内容だった。
ここで満足してはいけない。
最後のデザート、そして食後のコーヒーまでも余すことなく、文字通り「全て」を堪能できる、皆が望むものだったと感じた。
まぁ、私にとってはずっとメインディッシュだったのは言うまでもない。
また演出も同じく、どの層にもハマる内容に思えた。
美しく、カッコよく、面白く、楽しく、色んな姿を魅せてくれた。
やはり私の知らない曲もあったが、それでも引き込まれ、魅了されたのが何よりの証拠だ。
もしかしたら“超特急”の存在を知らなくても盛り上がれるのではないだろうか。
そう感じるほどの魅力が彼らにはある。
本ライブは特に強く感じたが、そもそも“歴”とかそんなものを気にしなくても超特急のライブは楽しい。
初めてだろうが、歴が浅かろうが、ずっとずっと推していようが、誰だって楽しめるライブであり、そんなアイドルだと考えている。
彼らの想い描く“美”とは?ライブで感じたもの
今回のツアータイトルは“Rail is Beautiful”。
そう「美」がテーマだ。
あなたが想像する「美しさ」とは何だろうか?
風景、花、絵画、星空、宝石、食べ物...人によって感じるものは様々だと考える。
人によって、持っている感性によって多種多様に形を変える「美しさ」であるが、本ライブで超特急はどう表現したかったのだろうか。
残念ながら答え合わせをすることは叶わない。
演出や構成に加わっているユーキの「色んな形の”美しさ”を感じてください」という旨の言葉のみで、表現した彼らにしかわからない。
ここでは、私がライブの中で感じた「彼らの想い描く“美しさ”」を考察したい。
私の感じたものは「人生」そして「愛」だ。
(お前それは考えすぎだろ...)と感じた人も少なくはないだろうが、本気でそう考えさせられる演出だった。
人は人と出会い、愛し、結ばれ、時に別れ、朽ち果て、再び芽吹き…
ライブの演出の一つ一つが人生の1コマを切り取っているかのようだった。
また、ライブの後半には今回のテーマをベースとしたムービーが流れたが、ほんっとに可愛くて終始ニヤケが止まらなかっt…美しさとは何か?行き着く先には何があるのか?と問いかけるようなメッセージ性を感じた。
「尊さ」「かけがえのないもの」を感じながらも、全ては永遠ではなく終わりが来るものであると微かに感じさせる「儚さ」も覚え、胸がギュっと締め付けられた。
更にパフォーマンスの中では、純粋にビジュアル的な美しさ、カッコよさ、物語としての美しさ、儚さ、本当に様々な形の“美”を魅せてもらった。
直接視覚的に魅せる「美しさ」そして、演出として考えさせる「美しさ」。
超特急の持つ「美しさ」を五感で感じ取れる素晴らしいライブだった。
まとめ

やはり、ネタバレ抜きであると真の魅力を伝えられないのは事実。
百聞は一見に如かずというように、観てこそ感じることのできる魅力があり、言葉でも全て伝えてこそ受け止められる魅力がある。
しかし、まだ見ぬ人へ、そして核心には触れたくない人へ、本ライブの魅力を持てる限り伝えたつもりだ。
本当に素晴らしく、楽しい、時間が一瞬で溶けて無くなるようなライブだった。
このポジティブな想いを多くの人に伝えたいだけの記事ではあるが、この記事によって8号車の想いが強まり、新たな8号車が増え、そして最終的には超特急自身の発展に繋がってほしい。
心の底からそう思っている。
歴は浅いが、彼のこともまだまだ知らないことも多いが、それでも好きでたまらない。
それが伝わっただけでも十分だ。
さて、この辺で本記事の終着点とさせていただこう。
出来ればゴリゴリにネタバレの記事も書きたい。そしていずれは超特急の応援メディアとして育てていきたいと思っている。
次回も是非「ご乗車ください」!!